騙されるな

庭に出ていたら、営業風の男が来た。
「何か家電など不要なものはありませんか?」

リサイクルショップかと思ったが、「弊社はリサイクル業者ではありません」と言った。
そして、「買い取り業者です」という。
正直、どちらでも良い。

「不要な家電はありますけど、壊れていますよ。50型のテレビと7Kgの縦型乾燥機付き全自動洗濯機」

テレビはメーカーに修理を依頼したが、液晶交換になるので買い替えたほうが良いといわれたので、家電リサイクルに出すつもりだった。洗濯機は外に置いて汚れ物を洗っていたが、最近調子が悪いので、これも家電リサイクルに出そうと思っていた。両方ともかなり古い。

この話を男にすると、テレビは部品取りが出来るし、洗濯機も査定したら買い取れるかもしれない。最悪金額が付かなくても、無料で引き取れるかもしれません。
と言うので、査定訪問の予約をした。テレビも洗濯機も、捨てるだけでお金がかかる。タダでいいので引き取ってもらえるならそれに越したことはない。
翌日、査定に来てもらうことにした。
この男は、アポ取り専門の男であった。

翌日、スーツ姿の営業が来た。
テレビと外に置いてある洗濯機の型式を控え、本部で査定してもらうため電話を始めた。
電話が済むと、回答が折り返し来るので少々お待ちくださいと言い、家の中に目につくものを次から次へ「これは不要ではありませんか?」と質問し始めた。
「金や宝石など、奥様が使ってないものはありませんか?」
それと、私が男なので、「使ってない腕時計とか、カメラなどありませんか?」と言うので、もうずいぶん古い腕時計を2本見せた。
もう手口はお見通しだ。

両方とも10万円もしなかったが、1つは古すぎてメーカーでの分解整備ができないものと、もう1つはソーラー電波時計で動いているが、調整がうまくできないので使っていない。
どちらも捨てて良いものだ。
男はまた電話で査定を依頼した。
そしてすべての回答が来た。

テレビも洗濯機も、引き取ることさえできないとのこと。
腕時計は2本で1000円ですと言われた。

「メインのものが処分できないのなら、もう結構。お引き取りください。お疲れ様でした。」

と言うと、男は慌てて、それでは…
テレビだけ無料で引き取らせていただきますので、時計は0円にしてもらえませんか?と言った。

私は心の中で「ヨッシャー!」と叫んだが、表情は変えなかった。

それならいいですよ。
テレビも時計も持って行ってください。

男は去る時に、「このようなネックレスを入れる箱はありませんか?」と、いかにもネックレスが入っているような青い生地で巻かれた箱を見せ、1つ1000円で買い取りますと言う。

「宝石が無い家に、箱だけあるわけないでしょう」

貴金属の訪問買い取り業者が増えているが、きっと箱が不足しているのだろう。
それは想像できる。

物を売ろうと考えてないところに、買いますと言って訪問してくる。
そして安値で買い取っていく。
売ったほうは、損したことを知らずに喜んでいる。

貴金属などを売る場合、ちゃんとした会社に自ら出向いて売るほうが良い。
私の叔母も、この訪問買い取りで金を売って100万円ほどお金をもらったと喜んでいたが、実は随分損している。

訪問営業など、知らない人間が家に来た場合、とにかく話をしないこと。話を聞かない。もちろん家にも上げない。
これが営業とは限らない。
大きな犯罪の下調べかもしれない。
あと、防犯カメラを付けるのはお勧めだ。私はカメラを4台付けて24時間録画している。
セコムに入るのもオススメ。案外安いので調べてみてほしい。

そう言えば、外置きの洗濯機。
長年の振動で水平が狂っていた(少し斜めになっていた)ので、水平に設置しなおしたところ、調子よくなった。

そうだった、私はエンジニ屋なのだ。

自由の女神

今日生まれる赤ちゃんがいる。

「生まれた」ではない。「生まれる」のである。
それは帝王切開で生まれる日を事前に決めているからだ。

昔の人は、1月1日の誕生日の人が多かった。
これは、生まれた人を、その日を誕生日にしていたからだ。
「数え年」という仕組みで、正月になれば皆さん1つ年を取るため、正月が誕生日ならわかりやすい。
他にもいくつか理由がある。

誕生日を自由に決めていた昔と、今。
それぞれ理由は違うが、今の「誕生日を決める」は、少なくとも本当に生まれた日である。
誕生日を自由に決めることとは少し違う。

世の中に、自由に決めると問題が起こることを考えてみた。
案外多い。

自分の情報はもちろんのこと、安全基準などもNGだ。

安全と言えば、ヨーロッパに「アウトバーン」という高速道路がある。
ここには全線の半分以上「速度無制限区間」があり、とてもスピードを出すことができる。
しかし、何も規制が無いわけではない。
安全に運行するため、ルールはちゃんと存在する。

他にも単位や資格などもそうだ。
自由に決められては社会が混乱する。

昔、私の上司がこんなことを言った。
「このたび、痛みの単位ができたらしい。痛みには単位が無かったので、医療で役に立つという。この痛みの単位は日本から発案されたものが世界標準になるという。1本の鼻毛を抜く単位が基準で、1ハナゲーというらしい。」
私は一瞬信用したが、デマだった。

AIにも聞いてみた。面白い項目が上がってきた。

自由に決めると、自分が損をする項目として、
「健康や身体の限界」。

睡眠時間や食事の量を自分勝手に決めると、健康被害に遭うかもしれない。

そういえば、立法機関はどうだ?
個人が勝手に決めているわけではないが、多くの国民が良く思わないことも決められてしまう。
自由に決めているわけではないが、嬉しくないことが多い。

逆に自由に決めていい事は…
完全に、自分だけのことで、誰にも迷惑が掛からないこと。

「明日の休みは何をするかなぁ…ゆっくり寝て過ごそうかなぁ…それとも釣りにでも行くかなぁ…」

これをウッカリ口に出してしまうと、トラブルになる。
「アンタ!休みは車で買い物に連れて行ってもらうことになってるワヨ!」

横でTVを見ているカミさんが強い口調で言った。
私の自由は、ほぼ無いに近い…(泣

一人遊び

朝のファミレス。

向かいの席に70代半ばの老夫婦が朝食をとっている。
勝手な予想だが、雰囲気からして旦那さんは土建屋の社長風。

食事が運ばれてきて食べ終わる直前まで、2人は一言も発さない。
そして奥さんが食べ終わる頃、何かを呟いた。
目は器に向けたまま。

旦那さんが微笑み、何か返答する。
これをきっかけに、お互い少しずつ言葉が増えていき、何か普通の会話をしているようだ。

小柄の奥さんは無表情、大柄の旦那さんは笑顔。
仲の良さそうな夫婦だが…

いつもの2人の間柄は、何となく想像できる。

私は話を盗み聞きしてないが、様子だけで何かが伝わってくる。
このことは日常の中に多く存在する。

私がエンジニアだからそうなのか、それとも誰もがそうなのかはわからないけど、状況を知ることで、原因や結果を予測する習慣がある。

ある日のこと———。
残業して、記録のチェックをしている従業員がいた。
この光景だけで、色んな無駄が見えてくる。

「無駄な仕事で大変ですねー」と、労をねぎらうつもりで言ったことが、早く帰りたいその人の気持ちを逆撫でてしまったようだ。

「誰か頭のいい人に考えて欲しいです!」と、怒り心頭。

こんな失敗はよくあるが、お詫びに記録が発生する所からの仕組みを考えてみた。
と言っても本人に伝えてないのだがw

もともと、
紙で記録→書き漏れや間違い→定期的にそのチェック→本人に修正依頼→再度チェック
この情報を探さなければならない場合、更にアホらしい。
記録の紙をひたすらめくって探すのだ。
悲しいかな、世の中にはこんなことがまだまだある。

これを、
PCかスマホで入力→必須項目設定で、項目の書き漏れなし→夜間バッチで登録チェック→結果をメール送信→管理者が承認

当然、記録を探すのは検索すれば良い。

仕組みを作って渡すだけなら簡単だが、私の仕事は、このことを社内の誰かが出来るようにサポートすること。
と言っても、社内の皆さんがITに疎(うと)い場合、どうするか?

もしかしたら、紙のままのほうが良いのかも。。。

食事を終えた老夫婦は、このあと家に帰るのだろう。
家に帰ると、無表情の奥さんは無言のまま何かを始め、笑顔の旦那さんはTVをつけたが、その目はTVを見ていない。
勝気の奥さんに気を使いつつ、会社の気になる案件に思いを馳せる。
この気遣いが会社を存続させてきた。

などと、勝手な想像だ。

チェックを終えた老夫婦は、さびれた喫茶店に似合わない大きなベンツに乗り込んだ。
お!土建屋の社長。
これは正解してないか?

私の一人遊びは、案外自分磨きになっているかも。

見上げてごらん

犬を連れてほぼ毎日散歩する。
ここ福岡市の住宅街では、4月下旬から5月上旬にかけて、柑橘の花の香が漂っている。
気候は暖かいため、庭に柑橘を植えている家が多いためだ。
犬はその香りをどう感じているのかわからないが、今日もまた、ヨソの犬が排泄した尿の匂いをひたすら探しているようだ。

犬の嗅覚は人の1億倍とも言われるが、それがどれほど凄いのか例えようがない。
3日前にどこか悪いところへ寄り道して、家族にはバレてなくても犬にはバレバレだろう。
しかし、犬は黙ってコチラを見ている。
さすが忠犬。

冗談はこれくらいにしてと。
私は「太陽・月・星のこよみ」というカレンダーを毎年買う。
専門的に天体の勉強をしたわけではないが、子供のころから夜空が好きで、よく空を眺めていた。
その延長みたいなものだ。

宇宙のことを考えると、確かに人間の小ささを感じる。
我々が住む銀河系は、約2000億以上の星たちがあるとされている。星と言っても恒星の数なので、地球のような惑星を入れるともっと多い。
そして銀河系は、当然ながら他の銀河系もある。
この銀河系の数が全宇宙で2000憶以上あると言われている。

気が遠くなるほどの星がある中で、たった1つのこの地球の小さな島国日本の、福岡県の福岡市の、小さな小さな点が、この私だ。
なんて小さな存在だろう。
この小さな私でも、歌も歌えば映画も見る。
悪い所へ立ち寄って、犬に見透かされていることを考えたりもする。

そんなこと、はるか遠い宇宙のかなたで、誰が気にするだろうか?
気にしようがない。
宇宙規模で見ると、どうでもよいことだ。

だったら、くよくよ気にするのはやめてしまおう。
と、そうはならない。
あのとき…くそー。

気の遠くなるほど星があるのなら、当然ながら生命のいる星はあるはずだ。
宇宙人が地球を覗きに来てもおかしくない。
トランプさんがUFOの情報を公開し始めたが、UFOは作り話ではないかもしれない。
不思議なことが身近で起きることがあるが、これも誰か宇宙人の仕業かもしれない。
運命とか偶然とか言うことがあるが、全て宇宙人の仕業かもしれない。

などと考えを馳せることは、夜空好きが関係していると思う。
そして、今夜も星を見ながら、寝る前の一服、「ぷはー」。

横にはウチの忠犬が、夜空ではなく私を見上げている。

男たちよ

ぬい活、推し活などなど。
最近の女性は年齢を問わず活動的だ。

女性は楽しんでいることがよくわかる。
さて、男たちはどうなのか?

なんだか暗いイメージしかないゾ…
犯罪者も8割はオコトだ。

どうしてこんなに違うのか?
色々調べてみた。
すると、そう簡単に答えが出ないことがわかってきた。

「社会の構造が、男を閉じ込めた」

一言で言うとこんな感じだが、この説明をするには一言では難しい。
頑張ってかなり端折って書いてみる。

かつて男は努力しなくても何かに属する世界にいた。
例えば、会社に行けば仲間がいて、飲み会もあれば、自治会や消防団や、草野球など。
どれも特に努力など必要なく、勝手に参加している感じだ。

しかし、これらは近年、消えてなくなりつつある。
仲間がいない———

日本の男は有償労働(仕事・通勤)が突出して長い。
そして無償労働(家事・育児・介護)が極端に短い。

これは納得できる。
平日は疲労で終わり、余暇は「準備も移動も要らない娯楽」に寄る。
準備や移動も要らない娯楽とは、ネット動画の視聴やゲームなどが当てはまる。

ほら、もう孤独が始まっているではないか。

そして、このことと直接リンクしているのか不明だが、内閣府は
「孤独・孤立対策推進室」というものを作って、社会構造改革に取り組んでいる。
実際の取り組みは中途半端に見えるが、問題を認識しているようだ。
※ただし、内閣府がやっていることは、私が言っている「男だけの問題」ではない

男が暗く引きこもっている印象は間違ってないと思うが、近年の社会構造が生んだ結果なのだ。そう簡単に解決しそうにない。

ちょっと待てよ?
こんな中でも、輝いている男たちもいるよなぁ。
この違いは何だろう?

おそらくだが、この社会構造に乗っかってない人たちだ。
会社や社会からの評価を気にしてない(自分の軸を自分で決める)とかで、自分のペースを乱されない。そうすれば、平日は全疲労が生まれず、余暇も楽しめる。
なんだか手を抜いてる感があるが、そうではない。
自分で価値観を決められる人なだけで、特別高い能力の持ち主ではない。
私は自分のことを「楽天家」だと思っているが、これに属すると思う。

ゆうべ。

夜のスーパーで、
仕事帰りらしい男が総菜を一つと缶ビールを買っていた。
だらしないようにも見えたし、
懸命な一日にも見えた。
見え方というのは、
たいてい見る側の余裕で決まるものらしい…

止血

ぬい活…

日本は何とも平和なものだ。

世界の平均寿命を調べたところ、日本人は世界一長寿だった(WHO調べ)。
2025年度、日本は84.5歳で、世界の中心で愛を叫ぶアメリカ人は44位で76.4歳。
平和だから長生きするのか?
少なからずとも関係しているはずだ。
危険が少ないことは、長生きにつながる。

長生きと言えば、離職率が低い会社を想像した。

会社を辞めていく人が多い会社と、長く勤める人が多い会社の差は何か?
危険が多いとか少ないとかではないが、ここには必ず理由がある。

離職率の高い会社は、役職の高い人が残念なことになっている。
その方は、その役職として必要なことが出来てないからだ。
自分が出来てないことを棚に上げて、組織に「やれ」と言っているようである。

昔務めた会社が「率先垂範」というスローガンを掲げたことがある。
上司や先輩は、自ら率先して実践する。身をもって手本を示すのだ。口で説明して教えるのではない。
ゴミを拾いなさいと言うのではなく、自らがゴミを拾っていると部下も拾うようになる。

「いつも言っていますが」
ミスがあるたびにこのような言葉を発する上司がいるが、いつも言っていてそのことが起きてしまうなら、伝わっていないのだ。このことを「聞いてない」と部下のせいだと思う上司がいたならば、この人は上司である資格は無い。あなたが伝えきれてないのです。
ミスが多発する場合も、離職率が高い場合も、問題は現場ではなく上のほうにある。

血が出たら、まず止血することは重要だ。
しかし人の流出は、根本的なものを解決しないと止まらない。

「どうする?」

どこかに相談したほうが良い。
今どきは、まずはAIに相談してみるのがセオリー。

問題ないと思うのは普通の人

3月に入って、庭にジャガイモを植えた。
すると25日ほどで芽が出た。
期待通りだ。

企業では期待通りの結果が得られているか?

社内の連絡を円滑にするために、各部署にタブレット端末を導入してみた。
ここに緊急時や伝えたいことを書き込む。
期待通り伝達が早くなり、連絡もれが減った。

ここで重要なことがある。
設備投資を行い情報伝達手段を改善したところまでは良いが、この後どうなっていくのか?

企業活動のほとんどは、問題が解決したらそこで終わる。
これは間違っている。

多くの従業員は問題が解決したら満足してしまうが、経営者はそうではない。

「もっと良くなる」

このことを従業員が常に考えてる企業はどんどん成長するが、働いている人の頭の中にこの考えが存在しない場合は、成長できるわけがない。
そして、このことを正しく効率的に組織に適応させることができる中小企業の経営者も少ない。

いま解決したばかりの問題は、この先ずっとブラッシュアップするのが正解。
働いている人は、今行っていることの中にどれだけ無駄が存在しているのかよく考えてほしいが、目の前の事で手いっぱいで、そんな余裕は無い。
では誰がこれを先導するのか?

それがマネージャー(管理者)だ。
課長でも係長でも良いが、そこを握っている長がこれをやらねばならない。

この重要な人たちが、仕事を兼任している場合がある。
これがダメの始まりだ。

私が若い頃に教えられたことは、「マネージャーは自分でやっちゃイカン!」
この意味は分かると思うが、管理者が現場を兼任した瞬間から、企業成長が止まる。

経営者は心を鬼にして、現場を握っている人をフリーにしなければならない。
そうでなければ、働いている人も、経営者自身も、残念なことになる。
人材が不足なら、私のような外部の人間に頼ってもよい。

私は色んな企業を訪問するが、目に飛び込んでくる情報は、おかしなことだらけだ。
そしてそこで働いている人は、それを問題視していない。

唯一気が付けるのは、経営者だけだ。
もっと現場を見て回ることをおススメする。

そうそう、ジャガイモのほうは順調だ。
神の作った道筋なので、改善しなくとも良さそうだ。

アポロ

僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう
アポロ11号は月に行ったっていうのに

この歌を聞くたびに、妻はこう思っているという

「私は生まれてたっちゅーねん!」

正反対

人は、
歳を取らないとわからなことがあり、
歳をとるとわからないことがある。