もう、無理…
その深刻さはどの程度なのか知らないが、退職代行サービス利用者が増えている。
例えば先輩や上司からパワハラとかセクハラとか?何か弱者に対して押し付けられるような行為があった場合、こういったサービスはありがたいかもしれない。
想像の話ではあるが…
このサービスを利用するとき、その人は突然会社へ来なくて、代わりに代行の人から会社へ連絡が来るのであろうか?
これは会社側としてはまあまあの損失だ。
4月に入社して間もなくパッタリ会社に来なくなって、代行サービスから連絡があって「辞めます」と言う。
この場合は、まだ良い。
担当の仕事も顧客も無い、トレーニーの状態だからだ。
しかし月日は経ち、いろんな仕事を抱えている状態の人が突然辞めた場合、大迷惑である。
新卒者を採用するにも、随分と時間をかけてお金もかかる。
中途採用者の場合も、求人広告費やそれに携わる人の人件費などにお金がかかる。
これらが全て水の泡だ。
働く人が辞めたくなる状態を作ってしまって、それに気付いてない会社に責任はあるが、一旦働いて給料をもらっているのなら、その仕事の責任は本人にもあるはずだ。
会社側は、人がいつ辞めても次の人がすぐにその仕事ができるような仕事の標準化を図るとか、辞めたくならないような職場の魅力を高めるとか、ハラスメントを起こさないような仕組み作りをするとか、昭和の時代ではやってなかったような企業努力が必要になっている。
こういった企業努力に対し、古い中小企業の経営者は眉間にシワを寄せる。
なぜか?
それは金がかかるからだ。
今までそんな経費が必要なかったのに、近年の変化で金が必要になってきたことを簡単に受け入れることが出来ない。言葉は悪いが「アホらしい」と言った人も居る。
どの企業にも均等にこの脅威とでもいうべき時代が到来しているから、このことを当たり前だと思って社員ファーストで取り組む若い経営者は、その金をどうやっているのか?
簡単なことだ。
最初から必要な経費として予算化すればいいことだ。
大前提で、利益を生む体質でなければならない。
そして、これまでよりももっと利益を生む必要がある。
そうでなければ、この費用が生まれない。もしくは、これまでの経費の中身を見直すかだ。
顧客ファーストと言ってる時代は既に終わったのである。
これは顧客をないがしろにして良いと言っているわけではない。
当然ながら顧客あっての商売だから、顧客の利益は優先的に考えるが、自社の何かを削って顧客へ差し出すことは間違っている。
先日もどこかの役人が「こういう工具が欲しい」と業者に投げかけ、収賄でお縄になる事件があった。
ビックリした人はどれほどいただろうか?
事件にはなってないが、民間企業ではこんなことは日常茶飯事だ。
この差し出された工具はどこから捻出されているのか?
従業員が1円、10円と積み上げた利益で購入するのだ。
誰か取引先の人が欲しいものを、知らず知らずに自分たちの利益から買って渡されている。
その経費は必要なのか?
大きな声では言えないが、その会社では実際必要な経費だと言うことが悲しくて仕方ない。
話を戻そう。
経営者に求められているのは、経営者の変化である。
季節は冬になっているのに、半袖のまま過ごすと風邪をひく。
時代が変化すれば、経営者も変化しなければ、従業員が不幸になる。
変化は怖い。そして面倒くさい。
そんなことを言っている場合ではない。
自ら変化が出来何のなら、経営者を辞めるべきである。
もう無理…
無理ならやめてしまえ!
それは悪い事ではない。
責任をもって終わらせることができているのならば。