時の流れに身を任せ…るな!

向かいの高い石垣の上から、コテツがよく吠えていたが、そういえば近頃声を聞かないな?
顔を覗かせた奥さんが、ひと月前に亡くなったと言った。13歳、肝臓を悪くしていたらしい。
ウチのカボスは、上から吠えられてもいつも何知らぬ顔で通り過ぎていたが、吠え方が激しいので私の方がドキっとさせられていた。しかしもう、その声はない。静かな秋だ。

カボスとの散歩道の途中、取り壊しが始まった家を見ることがある。
あれ、確かこの家は、おじいさんが一人暮らしだったはず。先週も散歩の途中に挨拶をしたが…
その家の跡には空き地が残り、すぐに雑草が生え始めた。

時々顔を会わすアメリカンコッカースパニエル。連れてるはずの飼い主さんが、夫婦だけで散歩していた。12歳で先月亡くなったと言う。

新しい景色が出来ていく前に、今が終わる寂しい時間帯がある。生命の折り返し以降の寂しさは、誰しもできれば味わいたくない。

周りの景色が変わり始めて、時間の経過を認識する。当然私も犬も家も車も、その時間経過を経て今なのだ。先週、車のバッテリー異常のメッセージが出て、あれ?ついこの前交換したよな??と思ったが、もうそれから4年半経っていたのだ。時の流れの速さに気付いてないだけだ。

充実してようがしてなかろうが、とにかく時はどんどん過ぎて行く。

会社員も経営者も、案外速い時の流れを意識してほしい。そのアンテナを張ってないと、気が付くのが遅れ、手遅れに。

会社のように生き物ではない場合、ビジネスが生まれたからと言って必ず死ぬわけではない。衰退期が始まったとしても、やり方次第ではまた息をふきかえす。
しかし衰退期からの復活は中々難易度が高い。難易度が低いうちに計画して衰退しないように務めることが良いが、経営者が気付かないと従業員は去るし、復活もできない。

今何をすべきなのか?

このテーマは、永遠に終わらない。なぜなら、半年後にはまた半年後なりの、「今何をすべきなのか?」があるからだ。
大筋道を付けたら、定点観測し、軌道修正することが必須なのだ。
残念ながら、中小企業のうち、これができている会社は少ないと思う。できていると思っている企業も、従業員は意味がわからないまま事務的にそれをやっているだけで、結局は評価とか給料のためになっている。

生き物の終わりは努力しょうがない。でも会社のそれはいくらでも努力できる。

あなたの会社で努力するのは誰か?
役職は、努力順になっている。
是非とも頑張ってほしい。